change challenge

年明けに、今の職場を離れることにした。

 

 

 

 

話は半年くらい前に遡る。

 

 

 

新しく始めた"香りの仕事"は、とても私に合っていた。

それは今もそう感じながら日々働いている。

 

ただ 月に一度くらいのペースで毎回引っかかる点があった。

 

 

 

接客の事と、働くルールの事、生活クオリティの事。

 

 

 

まずひとつ 接客の事。

 

 

接客業。

 

 

お客様のことを第一に考え、より希望に沿った お似合いになるものを見つける

もしくは新しい発見をしていただくお手伝いをすること。

 

来て頂いて、話して 香りを選んで楽しんで

笑顔で帰って頂く

 

そういう仕事。

 

人間好きではない私はそもそも接客業は避けたいと思いながら求職していたけれど、

"香り"という特殊なジャンルならアパレルや食品みたく いつもいつも不特定多数の人が訪れる訳ではないだろうという事と

百貨店で しかも客層も落ち着いた大人が多いと言われた店舗が現場だという事で

「それなら何とかなるかも」と思いこの仕事を選んだ。

 

日々香りと商品とブランドの勉強をしながら

先輩のアドバイスを元に接客を研究する毎日。

 

その香りが生まれた由来や作り手の想い、

手間と歳月をかけた香料を愉しむという贅沢…

知れば知るほど香りの世界は奥深く、とても不思議で魅力的で。

 

徐々に私に会いに来てくださる方も増えてくる。

ありがとう、と嬉しそうにされている表情を見ると本当に幸せで

これが接客業のやりがいなんだなぁと感じていた。

 

 

けれど、百貨店とはいえ そういうお客様ばかりではなく

時には私達の愛する商品たちを店頭で乱暴に扱う人もいれば

コソコソ隠れてフレグランスをつけて、ツンと店員を睨み立ち去る人や

販売員の声を無視して高級そうなフレグランスを手に取り勝手にバシャバシャと香りを身につけた上、

「クサイ!キツイ!こうゆうの無理」

など暴言を吐き捨てて去っていく人もいる。

 

私自身そういうタイプではないため、そういう事をする人の気が知れなかった。

また それぞれの商品は作品であって 私自身本当に大切に想っていたので

乱暴な人を見かけては密かに傷ついていた。

 

 

 

そして 働くルールの事。

 

百貨店のこだわりとして、お客様にはより良いものを

より丁寧に キチンとしたものを手に入れていただくという点がある。

 

それは食品であれ雑貨や化粧品であれ、全ジャンルの売り場でそうであるべきで

 

だからこそ、名だたるブランドがその百貨店の一テナントとして安心して販売を行え、お客様も企業側も信頼・安心や安全を胸に売買が出来る素敵な場所なのであって

 

そこで勤めるすべての人は お客様に対してだけでなく、社内のちょっとした決まりやルールも遵守することで

どのスタッフも均一なサービスを提供出来たり 気持よく働けたりすると思う。

 

例えば、携帯使用NGの場所では通話やメールをしないとか

お客様やスタッフ同士ですれ違う時には笑顔で挨拶をするとか

どれも難しいルールではなく、ホントに小さなことだけど

守らない人がたくさんいて

あの人が守らないなら私もいいや、みたいな妥協が見え隠れしていて…

 

私は、性格的にそういうのがすごく気になる。笑

 

守れないなら最初からそんな決まり作らんかったらええやん!

もしくは、守ってない人がいたら罰則があってもいいやん?減給するとか始末書提出させるとかね

 

そもそも百貨店内で決められてるルールはマナーに通ずるものがほとんどで

大勢のチームで過ごす場所でお互いの事を思いやれば自ずと行動に移せると思うんやけど…

 

 

極めつけは、生活クオリティの事。

 

 

寝不足が続いたり、自分のため、家族のために使う時間を割いて仕事をするスタイルがどうも自分にはあまり合わなかった。

というか それを乗り越えられるほどの情熱を持てなかった。

 

香りの勉強をすることに関しては 寝る間も惜しんで取り組んだりもしていたけれど

接客や人混みのストレスで疲れきった私は、家に帰るとクタクタになり

家事や大好きな料理や趣味の事は休みの日でなければなかなか取り組めなくなっていた。

 

それがまたストレスだった。

 

(それと同時に、こういう生活をずっと続けている人をとても尊敬するようになり、両親への尊敬と感謝の気持ちも以前より深くなった)

 

 

 

 

 

私はここにいなくても、香りの勉強をすることができるのではなかろうか。

生活を犠牲にして 一緒に暮らすパートナーに迷惑をかけることなく

家族に心配させることなく、働くことも出来るのでは?

 

 

 

 

 

 

朝、目が覚めたら

 

リビング・ベッドルームのカーテンを開けて 光を浴びて

一杯白湯を飲んで、ぼんやりと目を覚まし

 

ソイラテを飲みながらメイクをして、

着替えて、お洗濯をして

軽く朝食を支度して

のんびり起きてきたパートナーと一緒に頂く。

 

掃除をして、空気を入れ替えて

パートナーを見送り

自分も仕事をする。

 

夕方には仕事を終えて

夕飯の支度をして 湯船に湯を入れて

部屋をあたたかくしてパートナーの帰りを待ち

 

帰ってきたら、労い、

一日の出来事や他愛もない事、その日見つけた面白い事を話したりして

ゆっくりと夕食の時間。

 

溜めておいたお風呂で疲れを癒やし、気分をリフレッシュして

明日もがんばろうね、おやすみなさい。

 

時々は部屋に花や緑を飾ったり

ラグやカーテンの色、香りを変えてみたりして

 

そんななんでもない毎日を過ごしたい

 

 

 

 

 

 

場所や環境は自分で選べる。

 

 

上京して半年、初めての暮らしから学び

次のステップに進みたい気持ちが抑えられない私は、

もう無理をして接客業をするのはやめようと決めた。